原状回復工事の流れをざっくりとご紹介【アパート・マンションの場合】前編
お世話になっております。菊池総建株式会社です。
東京都豊島区池袋を拠点に関東一円で《内装工事》全般と《原状回復工事》を手掛けております。
今回は、
原状回復工事の流れをざっくりとご紹介
させていただきます。
今回はアパート・マンションの場合としてお話させていただきます。
なお、今回は前編として全体の流れをご紹介し、
後編にて工事そのものの流れにクローズアップし、ご説明させていただきます。
⓪原状回復工事とは?
原状回復をご検討中の方向けの記事ではありますが、改めましてご説明させていただきます。
原状回復とは、建築・不動産においては原(元の)状(態に)回復(させる)ことを指し、
要するに「物件から退去する際、借りた時の状態に戻してから退去をお願いします」という決まり事です。
ごく当然のように思えますが、「借りた時の状態」というのが少々難しい場合があるため、トラブルも発生しております。
その点も踏まえ、これからご説明させていただきます。
①最初に確認すること
流れについてお話させていただく前に、原状回復工事を検討される際、確認していただきたい事がございます。
それは賃貸借契約書をよく読み、確認をすることです。
賃貸借契約書とはアパート・マンションに限らず、物件を借りる際に結ぶ契約書で、物件の名称や所在地、賃料や共益費などの情報はもちろん、
契約解除や明け渡しの際の条件なども書かれています。
原状回復の際最も重要となるのが「明け渡しの際の条件」であると言えます。
要するに、「現在の物件を退去する際、どのようにして返却をお願いします」という事が書かれており、これに基づいて準備を整える必要があるという事です。
また、念のため契約書に書かれている内容が変更になっていないか、確認する余裕があれば行うとよいでしょう。
備品や設備など、どのように返却したらよいか迷うようなものがあれば随時確認をしておくと安心です。
②次に確認すること
そのまま契約書も踏まえ確認すべきことがございます。
それは、
- ●事業用物件として借りたか居住用物件として借りたか
- ●原状回復工事業者がオーナー・管理会社側から指定されているかどうか
です。
事業用物件として借りたか、居住用物件として借りたかで原状回復工事を行うタイミングが異なる
基本的に、「居住用物件」として物件を借りた際は退去が完了し、引き渡しの時点でオーナー(管理会社)立ち合いのもとチェックが行われますが、
「事業用物件」の場合はほとんどの場合、賃貸契約期間内に行うことが多いです。
居住用物件では、「自分や家族が物件に住むこと」を前提としていますが、事業用物件では「自分や家族以外も出入りすることが多く、そこで商売を行うこと」を前提として物件の賃貸借が行われております。
居住用物件であれば「故意に汚していなければ物件を綺麗に清掃し、借りた時の状態に戻して退去すれば大丈夫」と言った認識でも大丈夫な場合が多いです。
しかし事業用であれば、クロスの総貼替や電球の交換など広範囲にわたって元通りにしなければならない内容が多い場合が多く、
見通しが甘くなってしまいますと、退去までに工事が終わらないなどの可能性も発生してきます。
このように、事業用物件では、原状回復に関する決め事が多く、その範囲や書類が居住用物件の場合と比べかなり多いです。
ですのでまず、工事を依頼する際は退去の計画が立つさらに前段階でしっかりと賃貸借契約書をよく確認しておくことをお勧めいたします。。
●原状回復工事業者がオーナー・管理会社側から指定されているかどうか
原状回復工事を行う際は、賃貸借契約書に基づき工事業者が指定されている場合があります。
まずは業者が指定されているかチェックしましょう。
業者の指定がない場合は、ご自身で業者を探し見積を取ることができます。
では、業者が指定されていた場合は、そのままその業者に工事を依頼するだけでよいかと言いますと、そうとも言えません。
後述いたします。
③複数の業者に見積もりを取る
後述させていただきますが、見積もりは複数の業者に取ることをお勧めいたします。
また、その際業者は「現地調査(現調)」をさせてほしい旨お願いすることがほとんどですが、すべて対応し、
きちんと原状回復箇所が工事されるようになっているか、施工計画書を確認しましょう。
原状回復工事の業者が指定されていた場合
原状回復工事の業者が指定されていた場合、あまり考えたくはないですが、競争相手がいないため、工事にかかる費用が不当に高価になっている可能性があります。
防ぐためには、同様の条件で複数の業者に見積もりを取り、どれくらいの価格がかかるのか確認をしましょう。
見積もりを出し、結果を比較するためにも期間に余裕が必要です。
原状回復工事の業者が指定されていなかった場合
業者が指定されていなかった場合も同様に、複数の業者に見積もりを取ります。
複数の業者に見積もりを取ることをお勧めする理由は、
- ●前述のように、価格が不当に高価になっている(または安価になりすぎている)可能性があるため
- ●建築工事は常にケースバイケースであり、価格の変動が大きいため
- ●単純に、業者により得意な工事や作業、特徴が異なるため
が挙げられます。
安価になりすぎていた場合も注意が必要です。
必要な工事が省かれている場合や、ずさんな補修、手抜き工事などを行い、後から手直しを要求され、結果的に高くつく可能性もあるためです。
また、上記のように建築はケースバイケースな場合が多いです。
例えば前回同じ業者に何か工事を依頼していて好感触だった場合でも、
その業者の取引先が変わったり、出張費が異なったり作業員の都合などで
期間や金額が変わることもございます。
いずれにしても複数の業者に見積もりを取っていただき、金額だけでなく実績や、対応による感触も確認しましょう。
同時に、業者任せではなくなるべくご自身で「賃貸借契約書に書かれた内容の通り、回復できるか」
確認することをお勧めします。
④近隣あいさつ、工事着工
各業者からの見積もりにて、工事内容や費用に納得した段階で、いよいよ工事が開始(着工)となります。
後編にて詳細をご説明する予定ですが、工事が始まる前には基本的に「近隣あいさつ」を行います。
なぜなら、工事の際は大きな音が発生したり、搬入出の際不便を強いられることがどうしても発生してしまうため、
そのことを周囲に理解してもらう必要があるからです。
その際、工事を依頼されたお客様も同行するとなお、工事が円滑に進む可能性が高くなります。
実際に迷惑をかけてしまう当事者としての目線で、ご挨拶を行うことはとても効果があると言えます。
あいさつが終わり、工事が実際に開始となった際も定期的なチェックを行うとよいでしょう。
疑問や、不安な点は都度確認すべきであり、完了してからでは手遅れになってしまう事も多いためです。
あらかじめ打ち合わせを行っていても、実際に工事が行われた際状況が異なってきてしまう事はしばしば発生します。
特に必要な工事が行われているか、逆に不要な工事を行っていないかの確認、備品や設備を撤去する・しないなどの確認、さらに工事に対する周囲の反応(近隣あいさつを行ったところには特に)の確認などができると、トラブルが起こらず済むでしょう。
⑤完工前最終確認
完工(工事完了)前に最終確認を行います。
前述したように、賃貸借契約書に基づききちんと必要な工事が必要なだけ行われているか、
また、オーナー(管理会社)が十分と言えるクオリティであるかを確認します。
その際は、トラブルを未然に防ぐためにもオーナー・管理会社立ち合いの下行われることが望ましく、
大丈夫である旨、確認を取りましょう。
⑥完工、引き渡し
全ての確認が完了し、引き渡しとなります。
自己都合で完結できる場合が多いレイアウト変更などの工事と違い、退去を伴うため、
原状回復工事の場合どうしてもオーナー(管理会社)との確認が必要になってきます。
こちらの都合で先行していろいろと行ってしまった結果、トラブルが起こってしまった…ということが無いよう、
随時確認を行っていくことが大切です。
まとめ
以上、原状回復工事の流れをざっくりとご紹介【アパート・マンションの場合】前編 というテーマでお話させていただきました。
冒頭でも述べましたが、近日中に後編として工事そのものの流れをご紹介いたします。
- ●原状回復工事は、事業用物件の場合退去する前に工事を完了させなければならない
- ●原状回復工事を行う前に、賃貸借契約書を読み、オーナー(管理会社)へ内容を確認した上で複数業者へ相見積もりを取るとよい
- ●指定業者があった場合でも金額が適正であるか確認するために複数相見積もりがあると安心である
- ●状況確認は随時行い、オーナー(管理会社)とのトラブルを未然に防ぎましょう
居住用物件であればここまでの確認は不要ですが、事業用物件の場合多くの人が出入りすることが多いため、
電球・蛍光灯の交換や、その他「行うべき工事、不要な工事」があり、確認すべき箇所が多数あります。
不安な点、ご不明な点がございましたら賃貸借契約書をご用意いただき、
お問い合わせいただければご対応させていただきます。
全体工事に限らず、部分的な工事でのお見積りの場合でも、
まずはご相談いただければ幸いです。
最後に
当社では、お客様に「少しでも価格を安く、品質が高くて良いもの」を提供しております。
遠慮なく複数の業者様と比べていただき、相見積もりも歓迎いたします。
「工事費用はどれくらいかかるのか。」
「この部分はどのように工事をするのか。」
など、ご相談・お問い合わせはお気軽にどうぞ!
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